栃木・宇都宮南高3年の松下知之(スウィン宇都宮)が4分10秒04で優勝し、競泳ニッポン一番乗りで初の五輪を決めた。瀬戸大也(CHARIS)は4分10秒84の2位となり、派遣標準記録(4分10秒63)に届かず、本命種目で代表を逃した。

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高校3年の松下が、鮮やかな逆転劇で五輪切符をつかんだ。自由形のラスト50メートルで激しく追い、瀬戸を捉えた。「最後は体も限界だった。気持ちで押し切った。五輪は狙っていた」と胸を張った。

前半は「緊張して力んでしまった。びびってしまう癖が出てしまった」と遅れたが、しっかり立て直した。「落ち着いてあきらめなかった。(3番目の)平泳ぎから立て直そうと、冷静になれた」。焦ることなく、終盤の追い上げにつなげ「後半のタイムは世界に通用すると思っている。前半どこまで行けるかが夏までの課題」とさらなる進化を見据えた。

競泳のパリ内定第1号には「ちょっと意識していた」と明かした18歳。「今の日本競泳界には、若い刺激が必要。自分がそうなれればと思っていた」と力を込めた。