レギュラーラウンド(RR)2位のサントリーが、RR首位のパナソニックにストレート勝ちし、2季ぶり10度目の優勝を飾った。激闘となった第2セット(S)を執念で上回り、37-35で奪取。主導権を渡すことなく一気に試合を決めた。2月には、すでにFS進出を決めていた宿敵に連敗を喫し、頂点への意識を再確認。3連覇が懸かった決勝で完敗した昨季の悔しさも胸に、粘りの守備で栄冠をつかみ取った。最高殊勲賞(MVP)はセッターの主将、大宅真樹(28)が受賞した。

第1セット(S)は、日本代表の小野寺太志のサービスエースなど連続得点で主導権を握ると、同代表のアウトサイドヒッターのアライン・デアルマス(23)のバックアタックも光り、25-18でセットカウントを幸先よく先取。

第2Sは、ケガから復帰し、冒頭から出場した相手エースの西田の厳しいアタックに苦しめられ3度セットポイントを取られたが、最後まで集中力を切らさず。壮絶な打ち合いの末、10度目のセットポイントで、37-35で連取した。

勢いに乗って第3Sも押し切り、ストレート勝ち。RR2勝2敗の宿敵を下して、栄冠を手にした。

2月のRRではパナソニックに2戦連続でストレート負けを喫した。首位を争う直接対決に世界クラブ選手権銅メダルをひっさげてぶつかったが、相手の鋭いサーブに押され、2試合とも1時間30分以下で終わった。

試合後、山村監督から問われた。「世界クラブ3位になったときと、今と、何が違うのか」。最大限のパフォーマンスを出せていない現状について、冷静な言葉で事実を並べられた。練習への取り組み方、普段の過ごし方。大宅は「満足していたわけではないけど、ある意味過信していたのかもしれない。妙な雰囲気は流れていた」とはっとした。

今季目標に掲げたのは、世界クラブ選手権でのメダルだけではない。リーグ優勝も目指すところ。パナソニックは、圧倒的な強さで首位に位置していても目の前の1点に貪欲になっている。ネット越しに見たその姿も、発奮材料となった。「こうあるべきだと思った。そこから、1点に対する喜び方、悔しがり方が変わった」。2連敗で戦闘心に火が付いた。

RRは30勝6敗で2位。決勝では同32勝4敗で1位だった宿敵を倒して2季ぶりの頂点に立った。Vリーグ最多となる9544人の観衆の前で、今季掲げた2つの目標を成し遂げた。【竹本穂乃加】