パリ五輪出場を目指すバレーボール女子日本代表が5日、都内のナショナルトレーニングセンターで会見を行った。合宿参加中のメンバー22人が出席。6大会連続切符をかけたネーションズリーグ(VNL)へ向けて意気込みを示した。チームスローガン「ONE TEAM ONE DREAM~一つの心でひとつの夢を掴む」も発表され、一丸でパリの舞台に挑む。

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◆アウトサイドヒッター林琴奈

攻撃の主軸を担う自覚を胸に、姿勢でチームを引っ張る。国際大会の経験豊富な要は「ここまでの2年間しっかりコートに入らせてもらって自信がついてきた。今季は集大成になるので、チームのことも見ながらやっていきたい」と引き締めた。チームの課題は、セッターの定位置へレシーブが返り、あらゆる攻撃を選択できる「Aパス」時のアタック決定率の向上。「セッターとの信頼関係が大切。深めるためにもコミュニケーションを密にしていく」と力を込めた。

 

◆ミドルブロッカー宮部藍梨

OH経験を生かしたスパイクに磨きをかける。「攻撃パターンが他の選手と違うのでそこを良さにしていく」。MBながら中央からだけでなく左右からのスパイクを武器に、V2姫路の優勝に貢献。「(監督からは)MBとしてではなくスパイカーとして求められることが多かった」と攻撃力を向上させた。昨秋の五輪予選では、世界ランク1位トルコ、同3位ブラジルに連敗を喫したが「あとちょっとと思えた。悔しい経験をポジティブに」と敗戦を糧にチームを支える。

 

◆セッター松井珠己

海外で得た経験をチームに還元していく。今季は、4シーズンを過ごしたデンソーを離れ、ブラジルリーグで武者修行。「海外の選手はセットの終盤になればなるほどギアが上がってくる。そこに焦点を持っていけるのが強み」と学び、トスワークのバリエーション増に取り組んだ。「強気で攻めるところと、安定して攻めるところのメリハリをつけたい」。司令塔として成長した姿をパリ切符につなげる。

 

◆リベロ福留慧美

守護神が、パリへ夢をつなぐ。初選出から3年連続の代表メンバー入り。「武器は“つなぎ”。その良さを忘れずに頑張りたい」と引き締めた。絶対にボールを落とさないという気迫あふれるレシーブと、明るい性格が持ち味。球をつなぐことはもちろん、自由にコートを出入りできるポジションの性質を生かし、ベンチとの橋渡し役も担う。五輪出場権獲得へ「自信を持って臨みたい」と意気込んだ。

 

女子バレーパリ五輪への道 出場枠は開催国フランス(世界ランキング15位)を含む12。昨秋に行われた五輪予選W杯バレーでトルコ、米国、ブラジル、セルビア、ポーランド、ドミニカ共和国の6カ国が出場権を獲得。残り5枠はVNL予選ラウンド(R)終了時=6月17日の世界ランキングで決まる。日本は「(1)アジア&オセアニア大陸でトップ」、または「(2)既に出場権を獲得している7カ国と(1)、アフリカ大陸トップ国を除いたランキング上位3カ国」に入ることが必要で、VNL予選Rはポイント獲得に重要な舞台となる。