JTマーヴェラスのアウトサイドヒッター西川有喜(23)が、今季限りでの退部を発表した吉原知子監督(54)へ恩返しを誓った。

6日、V1所属12チームが参加するリーグ戦「Vカップ」の準決勝で、デンソーエアリービーズと対戦。日本代表合宿に参加中の田中瑞稀、林琴奈、和田由紀子ら主軸を欠く中で、先にセットカウントを先取したものの、そこからの3連続失セットで1-3(25-23、19-25、19-25、15-25)で敗れた。

全セットでスタメン出場した西川は、チーム3位の9得点も、アタック決定率25%と課題を残す内容。「スタートで勢いを持って相手をプッシュできて良かったが、大事な1点を取り切れなかったところが敗因。最後に勝って終われるように」と、7日の3位決定戦へ切り替えた。

今月3日、15年6月の着任以来9シーズンにわたってチームの指揮を執り続けた吉原監督が退部を発表した。Vリーグでは19-20年シーズンと20-21年に連覇を達成。黒鷲旗優勝2回、皇后杯制覇1回と、常勝チームを築き上げてきた。その名将はこの日も変わらないスタイルで、コート際まで行って選手たちに声を送り続けた。

大阪・金蘭会高卒業後、5年間指導を受けてきた西川。「高卒で入り、バレーボールの知識がなかったが、考え方や戦略をすごく細かく教えてくださった」とともにした歩みを振り返り、「ファイナルや代表を経験できたのも吉原監督のおかげ」と感謝を口にした。

「知子さん」と慕う監督とプレーできるのも、V杯3位決定戦と5月に大阪で行われる黒鷲旗の数試合のみ。頼れる指揮官の下で力をつけた23歳は、「(黒鷲旗で優勝して)胴上げできたらうれしいですし、自分たちがコートの中で輝いている姿を見せることが恩返しだと思う」と、言葉に力を込めていた。

 

◆吉原知子監督(退部発表後初の試合)「自分の中では、可能な限り(選手たちに)伝えられることを伝えてきたつもり。勝ちにこだわるチームであり続けて欲しいので、(残る期間で)もう少し何かできたら」