新潟・開志学園ボクシング部の助監督に元日大主将で全日本選手権準優勝などの実績を持つ小林将也氏(29)が就任し、全国王者育成に力を注いでいる。3月に頸城中の教員を退職し、4月から保健体育教員として赴任。96年アトランタ五輪代表の仁多見史隆監督(49)、新潟南OBで法大出身の野村孝志顧問(44)とともに本格的に指導する。

日大1、2年時に全日本選手権バンタム級で準V。19年茨城国体まで現役だっただけに、実戦感覚は十分残っている。ミットを構え、選手の動きに合わせてステップを踏み、パンチを受ける。「まだスパーリングの相手もできますよ」と笑う。

開志学園は昨年、ウエルター級で川村萌斗(現東農大1年)が全国3冠を獲得。今年3月の全国選抜大会ではウエルター級で増田龍杜(りゅうと、3年)が優勝した。インターハイでも21年から3年連続で優勝者が誕生。毎年複数の全国王者を出し続けるのが目指すレベルだ。

「仁多見監督や野村先生の背中を見ながら、自分がやってきたことを役立てられるように」と言う。練習前には攻防の動き方をホワイトボードに記して説明。培った技術を、主将を務めたリーダーシップで高校生に伝える姿に、仁多見監督も「理論的で分かりやすい」と太鼓判を押す。

中学教員だったこの2年は土、日に上越地域から新潟市内の高校に足を運んで指導していた。22年から国体県選抜少年の部の監督を務めているが、日常的にボクシングに携わる機会は多くはなかった。腰を落ち着けて教えられる環境を求めてやってきた開志学園。「指導者として形ができるように勉強する」と、表情を引き締めた。【斎藤慎一郎】

◆小林将也(こばやし・まさや)1994年(平6)8月19日生まれ、新潟市出身。葛塚東小4年から葛塚中まで空手に取り組み、新潟北でボクシングを始める。3年の時にインターハイのフライ級で準優勝、世界ユース同級ベスト8。日大1年で国体バンタム級優勝。卒業後は新潟北、巻総合、県スポーツ協会に勤務し22、23年は頸城中の教員。24年4月から開志学園の保健体育教員。