女子テニスでシングルス元世界ランキング1位の大坂なおみ(フリー)が、570日ぶりに日本のコートに帰ってきた。

12日、国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング杯」予選の日本代表として、3戦先勝方式のシングルス第2試合に登場。世界50位のユリア・プチンツェワを6-2、7-6のストレートで退けた。

日本での試合は昨年7月の出産後初で、22年9月の東レ・パンパシフィック・オープン以来。大会前に「この環境でできるのはエキサイティング」と話していた通り、15本のサービスエースを決めるなど国内ファンの前で元気な姿を披露。「一番素晴らしい雰囲気の中でプレーできたことがとてもよかった」と喜びをかみしめた。

第1セット(S)第6ゲーム(G)。ジュースに次ぐジュースの粘りあいとなったが集中力を切らさず。相手のミスを誘ってこの日初めてのブレークに成功すると、さらにギアを上げた。第7Gではサーブで3連続得点を挙げてキープすると、第8Gはセットポイントから強烈なリターンエースを決めて4ゲーム連取でセットカウントを先取した。

第2Sも勢いそのままに第1Gをラブゲームでキープした。その後はキープの応酬となったが、1歩も譲らず。タイブレークを7-5で取り切り、勝負を決めた。相手の好プレーには拍手をおくるなど、終始冷静な様子だった。

対戦相手が「対戦した選手の中で最も速いサーブの1つだった。氷のよう」と驚きを隠せない強打で、日本チームに第1試合の日比野に続く白星をもたらした。11月の決勝大会(スペイン)進出に王手をかけ、「杉山(愛)監督が冷静な声がけでサポートしてくれた」と感謝した。同大会は20年2月以来の出場で、日本代表でのプレーは21年東京五輪以来。大坂は13日の第2試合にもエントリーしている。「もちろん勝ちたいが、これは1つのプロセス」と、早くも次戦以降を見据えていた。

今夏のパリ五輪の出場資格は、20年8月以降の国別対抗戦2試合のメンバー入りが条件だが、大坂は出産により免除される見通し。