女子テニスの国別対抗戦、ビリー・ジーン・キング杯予選で、日本代表が3戦先勝方式のカザフスタン戦に無傷の3連勝を収め、決勝大会(11月、スペイン)進出を決めた。

2勝0敗で迎えたこの日の第1戦。シングルス第3試合で、世界ランキング79位の日比野菜緒(29=ブラス)が、同50位のユリア・プチンツェワを6-4、3-6、7-6のフルセットで破った。

セットカウント1-1で迎えた最終第3セット。互いに1歩も譲らない熱戦でタイブレークにもつれ込んだ。2-6と追い込まれながらも4度の相手のマッチポイントで踏みとどまり、8-7からサイドラインギリギリのショットで試合を決めた。今年1月の対戦でストレート負けを喫し、「苦手意識のある選手」と話す難敵に雪辱。タイブレークの怒濤(どとう)の追い上げにも、「1本1本集中していてスコアはあいまいだった」と笑顔で振り返った。

試合後には、「ツアーを優勝した時にも見せことはない」という涙を流した。「テニスどうこうより、皆さんの応援に励まされた。自然と涙が出てきました」と、会場を埋めたファンに感謝した。12日の第1戦の勝利に続く自身2勝目で、日の丸を決勝大会にけん引。「昨日の(大坂)なおみちゃんの試合を見て私も頑張ろうと思えた。素晴らしい2日間だった」とかみしめた。

この試合で決勝大会への進出が決まったことで、この日の第2戦に予定されていた大坂の出場はなくなった。「なおみちゃんの試合が見れなくて残念な人もいると思うんですけど」とちゃめっ気たっぷりに話しつつ、「この中でプレーできてよかったです」と喜びに浸った。

今大会での優勝が1つの夢という。「そこに一つ近づけた」とし、「11月のファイナルに選ばれるようにランキングを上げたい。そこがすごくモチベーションになる」と力を込めた。