女子テニスの国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング杯」予選が行われ、日本代表は3戦先勝方式のカザフスタン戦で勝利を収め、決勝大会(11月、スペイン)に駒を進めた。

この日のシングルス第1試合で、世界ランキング79位の日比野菜緒(29=ブラス)が、同50位のユリア・プチンツェワと対戦。2-1(6-4、3-6、7-6)のフルセットで下し、前日のシングルス2勝と合わせて、3勝目に到達した。

ファイナルの出場権を得て臨んだダブルス第2試合は、青山修子(37=近藤乳業)、柴原瑛菜(26=橋本総業ホールディングス)組が、アンナ・ダリニナ、シベク・クランバエワ組に1-2で敗戦。白星で締めることはできなかったが、昨年から監督を務める杉山愛氏は「選手のみんなに心から感謝したい。意味ある1年4カ月を過ごせた。本当に誇りに思う」と話した。

元世界1位の大坂なおみ(26=フリー)は12日に約1年7カ月ぶりに日本国内で試合を行い、シングルスで1勝を挙げた。この日の出場はなかったが、20年2月以来となった同大会を終え、「素晴らしい経験ができた。今後に生かしていきたい」と穏やかな口調で振り返った。

今夏のパリ五輪の出場資格は、20年8月以降の国別対抗戦2試合のメンバー入りが条件だが、大坂は出産により免除される見通し。「許されるならパリ五輪に出たい。出来る限りのことをして、プレーができるのならばベストを尽くしたい」と力を込めた。

ビリー・ジーン・キング杯は、国際テニス連盟(ITF)が主催する女子の国別対抗戦。1963年に前身となるフェデレーション杯が創設され、その後「フェド杯」に改称。20年9月に女子テニスの象徴的存在であるビリー・ジーン・キングの名前を冠して現在の名称になった。現在は、前年の優勝国、開催国、ワイルドカードと、予選を勝ち上がった8カ国の計12カ国によるファイナルで優勝カップを争う。