3人制でパリ五輪切符をつかむ。バスケットボール3人制の女子日本代表の栗林美和(25=東京羽田)が、3月のアジア杯(シンガポール)3試合でチーム2位タイの計13得点を挙げ、5位の結果に貢献した。5月3日から宇都宮で開催されるパリ五輪予選に向けた代表入り、優勝チームに与えられる五輪出場権獲得へ、意気込みを語った。【取材・構成=中島洋尚】

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19年の3人制W杯以来5年ぶりに日の丸を背負い、栗林はアジア杯に挑んだ。予選リーグを2戦2勝で突破。最終的に準優勝したニュージーランドに準々決勝で14-15と惜敗し、5位となった。大会中には、突如雨が降り出して会場のテントが高温多湿となり、滑りやすくなったコートに足を取られ、シュートの正確性を欠く場面もあった。

栗林 (3人制は)最後の時間の駆け引きが細かくありますので、みんなと1つ1つ話し合って、考えながらプレーするのは楽しかった。ただ今回の大会は、暑くて、湿気もすごくて、最後にバテてしまったという感覚もあったので、次(五輪予選)は10分間フルに戦いきれるようにしたい。

約5年、不測の事態や相次ぐケガで苦しんだ。左足首の捻挫を2回、その間には練習に痛めた右ひざを手術した。同時期には右手首の骨折も判明。昨季終盤には、前所属先チームのゴタゴタにも巻き込まれた。何度か3人制日本代表に誘われたこともあったが、そのたびに辞退した。

栗林 今のチーム(東京羽田)が、経験したことがないほどの良いチームで、久々に5人制のリーグをしっかり戦い抜き、思い切りバスケットができました。コンディションが上がってきていることも感じたので、もう1回挑戦してみようと(代表のオファーを受けた)。今大会(アジア杯)は、自分がサイズで劣っている試合はありませんでしたが、ニュージーランドや練習試合で対戦したオーストラリアの選手には、最後の最後でスピードでやられてしまう部分もありました。そこを修正して5月の五輪予選に臨みます。

21年東京五輪の5人制には、札幌山の手高の大先輩・町田瑠唯(31=富士通)や、2つ年下の後輩・東藤なな子(23=トヨタ紡織)らが、銀メダルメンバーに名を連ねた。

栗林 私はテレビで見ていたと思いますが、みんな頑張っていて、素晴らしいなと。やっぱりオリンピアンになるというのは、私にとっても特別なこと。まずは(3人制五輪予選日本代表の)メンバーに入るところから、頑張りたい。外でも中でもプレーできるところをアピールしたい。

3人制のパリ五輪出場枠は8カ国。すでに中国、米国、フランスの3カ国が出場を決めており、残る出場枠は5。日本代表は、5月3日から宇都宮で開催される予選(出場枠1)と、同月16日からの最終予選(出場枠3、ハンガリー)にエントリーし、5人制に続く出場枠獲得を狙う。

栗林 日本(宇都宮)で決められるのが一番。大事な場面で決めきるフィニッシュの力と、リバウンドの部分は強化しないと。エッフェル塔、見てみたいですね。

◆栗林美和(くりばやし・みわ)1998年(平10)8月26日、札幌市生まれ。札幌清田緑小-札幌清田中-札幌山の手高-富士通-シャンソン化粧品-東京羽田。小2でバスケットボールを始めた。高3夏の総体3位。U-18アジア選手権優勝、U-19W杯4位。18年に日本代表候補。18年にU-23の3人制W杯準優勝。19年の3人制W杯出場(予選リーグ敗退)。趣味はパン作り。188センチ、83キロ。