2位の東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)が、2季ぶりのプレーオフ進出を決めた。

コベルコ神戸スティーラーズ(神戸)と40-40の引き分けで勝ち点2を積み上げ、3試合を残して4位以内が確定。23年W杯ニュージーランド代表SOリッチー・モウンガ(29)が父の死去で13日夜に急きょ帰国した状況で、司令塔を担ったSO松永拓朗(25)がプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。

5位神戸は4位横浜キヤノンイーグルス(横浜)と勝ち点7差となった。

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BL東京の意地だった。5点リードの後半46分。シンビン(10分間の一時退場)でNO8フリゼルを欠き、BKを1人減らしてスクラムを耐えた。相手を中央から遠ざけ、喫した同点トライは右大外。厳しい角度からのゴールキックは外れ、勝ち越しは許さなかった。引き分けは勝ち点2。ゲーム主将のフッカー原田は「簡単なトライをなくす。東芝のいい文化。簡単に取らせない気持ち」と胸を張った。

試合2日前の12日、モウンガの欠場が決まった。チームは「本人の気持ちを最優先に寄り添いたい」と母国へ送り出し、天理大から21年に入団した松永がSOを務めた。普段はFBだが「パニックにならないようにできた」と的確な状況判断でけん引。前半で33-14と主導権を握り、自身もフル出場で10得点(5ゴール)を稼いだ。接点やラインアウトでは23年W杯日本代表ロックのディアンズが圧力をかけ、故障で離脱しているNO8リーチ主将がいないFWを引っ張った。

リーグワンが発足した2季前は4位に入ったが、昨季は5位に甘んじた。松永は「通過点を通過できただけ。勝って決められたわけではない」と表情を引き締める。前身のトップリーグを含めて14季ぶり頂点へ、慢心はない。【松本航】