デンソー(レギュラーシーズン2位)が富士通(同1位)に73-62で雪辱し、1勝1敗のタイに戻して初優勝に逆王手をかけた。

前半は33-37とリードを許すも、後半に逆転。赤穂ひまわり(25)が12得点11リバウンドの“ダブルダブル”の活躍をみせた。この日はリーグ史上最多7168人の観衆が観戦。優勝の行方は15日の最終戦にもつれ、デンソーが勝てば昨年12月の皇后杯全日本選手権との2冠達成となる。

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シュートがこぼれても、デンソーは184センチの赤穂ひまわりがリバウンドを確保して攻撃を継続させた。前半終了間際には、自身より4センチ高い長身テミトペと競り合ってボールをもぎとり、即座に後方へとステップを踏みながらジャンプシュート。ハーフタイム突入のブザーが響く中でビハインドを4点差に縮め、反撃への勢いをつけた。

後半も次々とリバウンドを奪取。逆転劇への起点となった。1勝1敗のタイに戻した主将は「今日はみんなでしっかりリバウンドに入れた。セカンドチャンスにつなげられ、そこでまた良い流れができた」とうなずいた。

ただ、第3Q終盤にフリースロー(FT)を4連続で外した自身のプレーは猛省。試合後には同僚高田の提案で、7168人の観客の前で“公開居残りFT練習”を行った。その練習も2本続けて外したが「みんなが『明日は大丈夫』と声をかけてくれるので、大丈夫かなと思う」と、恥ずかしそうに話した。

提案者の高田は「明日はバスケットカウントも全部決めれば大丈夫、と伝えた」と力を込め、得点源の馬瓜は「明日は100%決めてくれる!」と信頼を寄せた。皇后杯との2冠まであと1勝。明るく元気に突き進む。【奥岡幹浩】