宇都宮ブレックスが会心のゲーム運びで勝利し、東地区優勝に再び「王手」をかけた。

「完敗です。何も言うことはありません」

試合後の会見で、千葉ジェッツの富樫勇樹が発した言葉がすべてだった。

第1クオーター(Q)から多彩なオフェンスで的を絞らせない。遠藤祐亮や鵤誠司らが外から打てば、比江島やフォトゥらがインサイドに侵入して得点を重ねる。ディフェンスでも、規律、強度とも高く、相手を圧倒した。

「ディフェンスに関しては今年のベストゲーム。オフェンスでもスペースをつくってそこを突けることができた。今週、久しぶりに水曜日にゲームがなく、グレーゾーンに入っていたアタック時の状況判断を修正できた。慎(比江島)もタテをついてファウルを誘ってくれた」

試合後は厳しい表情であることが多い佐々宜央(さっさ・のりお)ヘッドコーチも穏やかな顔で振り返る。第4Qには30点近く差をつけ、5分近くあった残り時間を日本人選手だけで締めた。「プレータイムもいい形で分担できた」と佐々ヘッドコートはうなずいた。

要所で3ポイント(P)シュートを3本決めた鵤は「みんなオープンスペースをみつけることに集中していた」と振り返った。「今日はリバウンドの試合かな」とも指摘。佐々ヘッドコーチが「勝ちたい気持ちのバロメーター」と見るリバウンドでも、51対37と大差をつけた。

アルバルク東京が群馬に延長戦の末に負けたため、マジック1。残り3戦であと1勝か、A東京の1敗で、3年ぶりの地区優勝が決まる。ただ、千葉Jもチャンピオンシップ進出に黄信号がともったため、28日の第2戦は死にものぐるいで来るだろう。

「今日の後半はチャンピオンシップを意識したところもあった」と比江島。一気に決める。【沢田啓太郎】