昨年のパリオリンピック(五輪)レスリング女子53キロ級金メダルの藤波朱理(21)が30日、半導体商社の株式会社レスターに内定したと発表した。来春に日体大を卒業後、同4月1日付で正社員として入社予定。同日に都内で会見し、抱負を口にした。
ストライプ柄の入った紺色のスーツを着て、会場に姿を見せた。今月のU23(23歳以下)世界選手権で53キロ級から57キロ級に階級変更したせいか。「階級を上げてフィジカルを強化してきたので、結構きつくなったなっていう感覚」と報道陣の笑いを誘った。
一方、来春から始まる新社会人生活については「自分自身もワクワクしている。今までは自分のためにやっていたレスリングだが、会社のため、いろんな方のためにもレスリングを極めていきたい」とイメージを膨らませている。
新しい所属先となるレスターは、半導体や電子部品の販売ビジネスなどを手がける企業。会長兼CEOの今野邦広氏が1960年ローマ五輪代表だった実績もあり、現在も男子グレコローマン63キロ級の鈴木絢大と、女子62キロ級の類家直美の2選手が所属するなどレスリング強化にも力を入れる。
「会長さんが元レスリング選手、経験者ということが自分の中では大きくて。これからレスリングを続けるにあたっての理解力がすごくあると感じる」。世界の舞台を知る元レスラーの経営者の存在が大きな決め手になったという。
パリ五輪では53キロ級を制したが、57キロ級変更後の初戦となったU23世界選手選手権では、的確なタックルやカウンター攻撃で相手を圧倒。中学2年時だった2017年9月から続く連勝を「145」に伸ばした。
28年ロサンゼルス五輪での2大会連続制覇に向け、前人未到の記録を更新する逸材には、今野氏も「私の中で多くの選手との出会ったが、藤波選手のようなバランスの取れた、そして人間的にもしっかりして常に高い向上心を持っている。こんな選手を見たことがない」と高い期待を寄せる。
連勝記録には欠かせない親子鷹も続行する。
日体大レスリング部女子コーチである父俊一氏が来年4月から同社監督に就任することも発表された。
俊一氏も「レスターの監督として指導に当たるが、今後も継続して『チーム朱理』のコーチとして来年のアジア大会、そしてロス五輪の金メダルに向けて頑張っていきたい」と娘との新たな二人三脚に決意。
藤波も「レスターの一員となってレスリングが続ける責任もあるし、それ以上に自分らしくレスリングを一番楽しんでレスターとともに世界一を取りに行きたい」と力強く誓った。


