<フィギュアスケート:世界選手権>◇4日目◇26日◇イタリア・トリノ

 上位候補に次々ミスが出たSPで首位に立ったのは、両親が日本人で米国育ちの長洲未来(16=米国)だった。バンクーバー五輪で4位に食い込んだ16歳は「今季最後のSPで思った通りの滑りができた」と会心の笑みだった。

 着氷に成功した冒頭の連続3回転ジャンプは後ろが回転不足と判定されたが、本人は「五輪でできなかった3回転-3回転が決められてうれしい」と自信を得た様子。柔軟性を生かしたスピンとスパイラルは、すべて最高難度のレベル4をマークした。

 今季から師事するフランク・キャロル氏は、ミシェル・クワン(米国)を育てた名伯楽。五輪男子を制したエバン・ライサチェク(米国)のコーチでもあり「五輪金メダリストと一緒に練習して、どれだけ練習しなければいけないか分かった。先生が正しいことが分かった」と信頼を深めた。

 五輪に続き、世界選手権も初出場。昨季陥った不振からの脱却や連続ジャンプの習得方法の質問に「コーチの言うことをよく聞いた」と繰り返し、会見場を和ませた。