<W杯スキー:デュアルモーグル>◇14日◇スウェーデン・オーレ

 上村愛子(29=北野建設)が、一時のスランプから完全に復調した。予選を2位で通過し、決勝で予選1位のハナ・カーニー(米国)に敗れ準優勝だったが、前日のモーグル3位に続く今季3度目の表彰台で、第3、4戦で連続予選落ちした不調を完全に抜け出した。長野五輪金メダリストの里谷多英(32)は32位で予選落ちした。男子は上野修(25)の6位が最高だった。

 決勝で敗れたが、上村はしっかりと手応えを感じていた。「エアもターンも両方ともにいい状態になってきた。もう少しです」。決勝は種目別首位のカーニーとの一騎打ち。第1エアの着地でやや遅れ、追い上げたが14-21で惜しくも敗れた。

 第3、4戦で久しぶりに2戦連続で予選落ちした時は落ち込んだ。「常に強い気持ちで戦う」と挑んだ今季だったが、さすがにショックで涙も流した。「スキー板だけが前に出て、体のポジションが下がっていた」。勝ちを意識した守りの姿勢が滑りに出た。

 しかし、現実を見つめ、技術的にも精神的にも、わずか2週間で修正。見事に、2戦連続で表彰台を手にし復調をアピールした。オーレは昨年、自身初めてモーグルとデュアルの2冠に輝いた相性抜群の場所だ。その舞台で完全復活ののろし。「今季は3月の世界選手権(猪苗代)が一番の勝負どころだと思っている。このまま調子を上げていけると思う」。愛子スマイルも戻ってきた。