<フィギュアスケート:GPファイナル>◇最終日◇11日◇中国・北京

 村上佳菜子(16=中京大中京高)が3位に入り、日本人女子としては浅田真央に次いで10代で表彰台に立つ快挙を達成した。ショートプログラム(SP)3位で迎えたフリーはジャンプでミスはあったが、117・12点で合計でも178・59点と、ともに自己最高得点をマークし、日本勢最上位と大健闘した。鈴木明子(25)は4位、安藤美姫(22)は5位だった。

 高得点を見た16歳の村上が目を丸くした。伊藤みどり、浅田真央ら名選手を何人も育てた67歳の山田満知子コーチも口を大きく開けた。今年の世界トップ6選手が集う大会で、この時点で暫定首位に立った。年の差51歳の「孫とおばあちゃん」が、がっちり抱き締め合った。

 大舞台で総合得点でも自己最高を10点以上も更新した。無邪気に笑顔を振りまいたが、頭の中では冷静だった。「優勝できると思った?

 それは思わなかった。フリップを失敗したのは後悔した」。最初の連続3回転ジャンプを決める上々の滑り出しも、中盤の3回転フリップで失敗し、大きな減点を受けた。結局、予感が的中し、コストナーに0・01点差、シズニーに2・16点差でかわされた。フリップの失敗さえなければ、優勝も夢ではなかっただけに悔しさが増した。

 姉の友季子さんに「誕生日プレゼント」をあげたかった。前日10日が姉の22歳の誕生日。出発前には姉からメッセージ入りのカードをもらった。「お姉ちゃんはデザインがうまいので、佳菜子の写真をプリントアウトして、飛び出すようなカードを作ってくれました。今回はそれがお守り代わりです」。村上も北京へ出発前、父に姉への手紙を託したが、GPファイナルでの好成績は何よりのプレゼントになった。

 華やかにシニアデビューした村上だが、大学4年でフィギュア選手の友季子さんにとっては今季がラストシーズン。「お姉ちゃんがいたからここまで頑張って来られた」。姉の後を追い掛けるように、まだ記憶もないころからベビーカーに乗ってスケートリンクに通った。だから姉に活躍している姿を見せたかった。

 2カ月前のNHK杯では、過度の緊張で頭が真っ白になったが、もうその姿はない。スケートアメリカで初優勝と結果を出し、GPファイナル直前の愛知県競技会では時計の故障による7分間の中断にも動揺しなかった。周囲の予想を超える成長を続けている。

 日本人女子としては、16歳でのGPファイナル表彰台は15歳で優勝した浅田真央に次ぐ快挙だ。「(重圧に負けた)NHK杯のことを考えるとすごく成長している。でもノーミスしたかったので、すごく悔しい」。もう表彰台では満足できないほど、村上の視線は世界を向いている。【広重竜太郎】