<競泳:日本選手権>◇4日目◇5日◇東京辰巳国際水泳場

 女子200メートル個人メドレーの加藤和(いずみ、22=山梨学院大4年)は4年前の落選を乗り越え、初切符となった。

 加藤が故郷へ吉報を届けた。得意の平泳ぎでスピードアップして150メートルで逆転。自己ベストの2分11秒79で初の五輪出場を決めた。「自分を信じて泳ぎ切りました。何度も自分に負けそうになったけど、周りに支えてもらいましたから」。08年日本選手権は2位。派遣標準記録をクリアできなかった雪辱を果たし、声を震わせた。

 福島市生まれ。祖母の鈴木とよ子さんは福島第1原発5キロ圏内にある大熊町から、福島市の実家近くに避難している。屋外で泳げない子どもたちのために、2月には「常設プール設立」の署名活動にも参加。短大を卒業した10年に山梨学院大へ編入した4年生は「震災のこともあったし、福島のためにも、と思って泳ぎました」と力を込めた。

 ◆加藤和(かとう・いずみ)1990年(平2)3月24日、福島県生まれ。桜の聖母学院高-桜の聖母短大-山梨学院大4年。160センチ、52キロ。