日本のテニスの聖地が生まれ変わる。日本テニス協会は12日、20年東京五輪のテニス会場に予定されている有明テニスの森公園の改修計画を発表。センターコートの有明コロシアムは、ウィンブルドンを模範に、内装やシート配置などが改修される予定だ。

 ジャパンオープン、デ杯、全日本など数々の大会を演出してきた有明コロシアムは、1万人収容で87年完成。91年には開閉式の屋根がついた。当時は最新の設備が20年以上を経過して老朽化。だが東京五輪の実現で改修に加え、5000人収容と3000人収容のコートも新たに建設予定だ。

 コロシアムの屋根は、現在、頑丈な鉄骨でできている。ウィンブルドンは09年にセンターコートに開閉式屋根をつけたが、特殊フィルムでできている。日本協会の川廷尚弘国際委員長は「できれば、その方式を採用したい」。また、シートの配置も同大会を見習って、コート脇にボックスシートを導入するという。

 約60億円の改修費用は東京都が全額負担。予定では17年12月に着工され、19年5月に完成。20年7月に大会組織委員会に引き渡される。東京五輪出場を熱望する錦織も「改修されると聞いて、とても楽しみ」と大歓迎。昨年日本男子初の優勝を遂げたジャパンオープンの舞台だけに、愛着もひとしおだ。【吉松忠弘】