<バレーボール・全日本高校選手権:高松工芸2-1雄物川>◇男子2回戦◇6日◇東京体育館

 昨年4強の雄物川(秋田)が高松工芸(香川)に初戦敗退した。昨年4月に就任したOBで元日本代表の宇佐美大輔監督(35)が指導者として初の「春高バレー」に臨んだ。身長203センチの注目の大器鈴木祐貴(2年)を擁して優勝も期待されたが、エースを生かし切れなかった。

 初優勝を目指した雄物川がまさかの初戦敗退を喫した。相手のスピードある攻撃に第1セットを奪われた。第2セットを奪い返すが、第3セットは競り合いの末に敗戦。鈴木祐のスパイクもいまひとつ不発で、コート上で涙をぬぐった。

 「マークされても決めなきゃいけないのに、気持ちが弱かった。全部自分が悪い」と鈴木祐。主将の鈴木教央(3年)は「(鈴木)祐貴が決めるという前提で試合に入ってしまった。決められなかったらどうするかを想定していなかった」とショックを隠せない。

 宇佐美監督は「レシーブやつなぎが悪く、祐貴のスパイクまでうまく持って行けなかった」と鈴木祐をかばった。その上で「バレー界注目の素材と言われるが、まだあくまで素材。今日はプレッシャーにつぶされている。日本を背負っていける選手に成長してほしい」と厳しさもみせた。

 指導者として初の「春高バレー」は苦い初陣となった。「うちは真っ向勝負しかできない。それができる精神力を養いたい」。鈴木祐は「この悔しさを来年につなげないと先輩たちに申し訳ない」と来年のVを誓った。【北村宏平】