平泳ぎで五輪2大会連続2冠の北島康介(32=日本コカ・コーラ)が夏の世界選手権(ロシア)代表を目指し、7年ぶりに高地合宿を敢行する。17日、東京辰巳国際水泳場で東京都新春競技大会に出場。来月中旬から1カ月、標高2100メートルの米フラグスタッフで合宿を張ることを明かした。

 覚悟が伝わる。米フラグスタッフに行くのは2大会連続2冠に輝いた北京五輪のあった08年以来。北島は「世界選手権は、自分にとって最後のチャンスと思っている」と7年ぶりの決断理由を口にする。体に負荷のかかる高地。「死ぬか、生きるかでしょ。自分に可能性があるか。年齢にもトライしたい」と続けた。

 昨年は、休養年以外では初めて国際大会の出場権を逃した。近年は年明けだった始動は昨年10月に繰り上げた。新たなトレーナーともコンビを組み、体を一から築き上げる。「少しでも全盛期の泳ぎを取り戻したい」と、東洋大では一回り年下の学生と厳しい練習を積む。この日は短水路(25メートル)の100メートル平泳ぎに出場し58秒65と、この時期では速いタイムで優勝した。

 年末年始は千紗夫人と生後8カ月の長女と過ごした。初めて3人で迎えた正月。「今年頑張るぞという気持ちになった」。世界選手権代表は4月の日本選手権2位以内が条件になる。世界選手権代表となれば、5大会連続となる16年リオデジャネイロ五輪出場も見えてくる。子供のためにも、パパになった北島は全力を尽くす。【田口潤】