<バレーボール・全日本高校選手権:聖隷クリストファー2-0阿南工>◇男子1回戦◇5日◇東京体育館

 2年ぶり出場の聖隷クリストファー(静岡)がストレートで阿南工(徳島)を下し、3大会ぶりの初戦突破を果たした。チームの大黒柱となる飯田翔流主将(3年)が大会直前に負傷しながらも何とか出場。エース不在を想定して練習を重ねてきた他選手が持ち味を発揮しながらカバーし、快勝した。

 鮮やかな快勝劇だった。聖隷クリストファーはレフトから坪内俊樹(3年)がアタックを重ねた。第1セット。立ち上がりで6-8とリードを許したものの、坪内のサーブで流れをつくる。一気に11-8と逆転し、その後は追いつかれることなく第1セットを先取。第2セット序盤での接戦も果敢に競り合い、相手ミスも後押しに制した。

 冬休み期間にチームをけん引してきた飯田が左足首を捻挫して離脱。坪内は「いなくても大丈夫なように準備してきた」と振り返る。レフトの坪内、ライトからは平井佑弥、中央は鈴木涼太(いずれも3年)が得点を重ね、サーブで狙われた飯田をカバーした。

 致命的なミスはなかったが、選手は反省も忘れなかった。坪内は「コンビが少し合っていないところがあった」と、レシーブの乱れからトスの呼吸が合わなかったシーンを修正ポイントに挙げた。それでも13年の全国総体で敗れている阿南工に快勝できたことは収穫。坪内は「2段トスになっても打ち切れる場面があったので、できなかったことよりもできたことの方が多かった」と前向きだ。

 今日6日の2回戦は強敵だ。現在の1月開催となった最初の10年度大会で優勝するなど、計4回優勝している名門の東亜学園(東京)。坪内は「サーブとキャッチがよくなれば」と気持ちを引き締めた。目標は全国4強。険しい道のりになるが、果敢に挑む覚悟だ。【加納慎也】