<高校ラグビー:桐蔭学園33-7大阪朝鮮高>◇準決勝◇5日◇花園

 近畿最後の砦(とりで)を、守れなかった。惨敗した京都成章(京都)の後で出陣した大阪朝鮮高(大阪第3)は、桐蔭学園(神奈川)の堅い守備を崩せず力尽きた。近年強さを見せつけてきた近畿勢が、準決勝で姿を消すのは15年ぶり。呉英吉(オウ・ヨンギル)監督は「それを言われるのが、一番辛かった。京都とうちが2つとも負けちゃったからね。東福岡と桐蔭の力が上だった」と完敗を認めた。

 3回戦進出が過去最高位だった大阪朝鮮高。勢いづいて初の準決勝に挑んだが、跳ね返された。それでも「常に感謝」「全力プレー」など、ラグビー部10カ条を作ってチームを引っ張ったフランカー呉泰誠(オウ・テソン)主将は「やりきれた」と胸を張った。この日の先発15人中9人が2年生の若いチーム。「新たな歴史は後輩たちに託したい」と笑顔で花園を去った。

 ノーシードで進撃を続けてきた京都成章も、個人能力抜群の東福岡に粉砕された。準決勝以降では史上最多67失点の完敗に湯浅監督は「うちは体が動かなかった」とうめいた。SHで同監督の長男航平主将は、試合中に鼻骨を折りながら奮闘したが、父に勝利を届けられず号泣。「この3年間はいい仲間に恵まれた。楽しかった。将来は指導者を目指したい」と声を振り絞った。【木村有三】