ヤマハ発動機が延長の末、25-28でサントリーに逆転負けを喫した。練習場が隣り合うJ1磐田の吉報に続けず、4季ぶりの決勝進出を逃した。

無情な敗戦となった。25-25の同点で、10分間のサドンデス方式の延長戦に入った。両チームともに名キッカーを擁し、反則が許されない状況だった。SO清原祥(25)がハイパントで相手にボールを渡してしまった。自陣10メートルライン付近で、フランカーのクワッガ・スミス(25)がタックルするも、タックル後に相手選手を離さないホールディングの反則を取られた。

延長前半5分、ゴール正面約40メートルのPGをサントリーのSOマット・ギタウ(36)に決められ、勝敗が決した。今季リーグ戦で反則数47個で、リーグ最少タイを誇ったが、最後は反則に泣いた。清宮克幸監督(51)は「準決勝にふさわしい試合だった。崩しきったところでトライを取れなかったが、最後はサントリーの勇気、規律が素晴らしかった」と目を赤くして、悔しさをにじませた。

前半はリードするも後半30分に逆転トライを許し、22-25にされた。それでも同33分にはスクラムで相手ボールを奪い、同40分のFB五郎丸歩(32)の同点PGにつなげた。フッカー日野剛志(28)は「負けたのでベストゲームではないが、スクラムは8人で押すことができた」とヤマハスタイルは見せつけた。

3位決定戦はトヨタ自動車と対戦する。日野は「切り替えていきたい」と前を向いた。【大野祥一】