今季の帝京大が連覇していた昨季までと違うのは、ボールを持った自軍の選手への2、3人目の寄りの遅さだ。

SOが序盤に退場した影響もあったと思うが、この日は攻撃に連動性がなく、球出しが遅れ、相手の防御がそろった状態でボールを回す時間が長かった。セットプレーもひどかった。スクラムが崩壊し、ラインアウトであれだけミスをすれば勝てない。昨季までの強みでもある部分だから、そこで劣勢になる前提での準備ができていない。それも含めて、あまりにも長い期間勝ち続けてきたということだろう。天理大は低く、1人で止めきるタックルが良かった。攻撃はトンガ人留学生3人で計算ができるから、失点を抑えれば自分たちの試合に持ち込めるという自信を持っている。各大学とも力をつけてきており、時代の変わり目という意味でも楽しみな決勝になった。(元日本代表FB、日刊スポーツ評論家)