1次リーグB組2位の南アフリカ(世界ランク1位)が2連覇を飾り、史上最多4度目の頂点に立った。

A組2位ニュージーランド(同2位)との大一番に12-11で勝利。大会途中に追加招集したSOハンドレ・ポラード(29)が4PGで全12得点し、防御ではフランカーのピーターステフ・デュトイ(31)がタックル成功28本と驚異的な数字をたたき出した。

次回は27年オーストラリア大会となり、すでに出場権を持つ日本(同12位)など、4チーム増の24チームが参加する。

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死闘に終止符を打つノーサイドの笛を聞き、主将で南アフリカをまとめたコリシがピッチ際へ駆けた。後半33分にイエローカード(10分間の一時退場)を受け、絶望のふちにいたWTBコルビに抱きついた。同国初の黒人主将が導いた2連覇。愛する母国はアパルトヘイト(人種隔離)により、91年の第2回大会まで出場を許されなかった。歴史もかみしめて言い切った。

「私たちの国でうまくいっていることは多くない。私たちは人々の人生を鼓舞できる特権を持っている」

雨中の決戦。開始4分でフッカーのムボナンビが負傷退場した。代わって投入されたフーリーはFW第3列との兼任。大会中に主力のマークスが離脱し、招集したのはSOポラードだった。緊急投入のフーリーは21本のタックルを決め、デュトイは28本。ニーナバー監督は「ラインアウト(の正確性)を失っても、他の方法で補える」とフーリーの長所を信じ「フィールド上に白いポリ袋が飛んできても、彼はきっとそれを追いかける」とデュトイの執念をたたえた。失ったトライは後半18分の1本。得点はポラードが全て決めた。

参加8大会で単独トップとなる4度目の頂点。準々決勝からは全て1点差で制し、ニーナバー監督は「(自国では)人々がラグビーを観戦できるように、入場料も寄付したい金額にしてくれた。(国民)6200万人が団結した。私たちの原動力になった」と思いを込めた。

母国の希望を背負い、体をぶつけ続けた男たちを、勝利の女神は最後まで見放さなかった。