<大相撲初場所>◇初日◇11日◇両国国技館

 満員札止めの館内で、この日一番の盛り上がりで迎えられた、初顔合わせの関脇逸ノ城(21=湊)対東前頭3枚目の遠藤(24=追手風)。初日の関脇以下対決としては平成以降最多の22本も懸賞が懸かった注目の若手力士対決は、遠藤が一方的に制した。

 「僕の方が体が小さいので、中途半端に当たっても良くない」と、鋭く踏み込んだ立ち合い。まわしを許さず突き放した。もろ差しになり、低い姿勢で前へ。一気に寄ると、逸ノ城の左足が蛇の目の砂を払った。気づかず取り続けたが、行司によって止められた。「振り返ったら蛇の目(の砂)が大きく乱れていたので『あっ、出たんだな』と」。モンゴルの怪物を、期待の日本人ホープが退けた。

 昨年末に、出稽古に来た相手と4日間、胸を合わせた。大型力士への対策を練りに練り、その成果を生かした。「場所の最初でもあり、新年最初でもある。いい相撲で白星を飾れて良かったです」。公言する目標の新三役へ、好発進した。