横綱朝青龍(28=高砂)と妻ゴンボツェレン・タミルさん(29)との離婚は、朝青龍の強い要望によるものだったことが6日、分かった。朝青龍は同日未明、専属マネジャーのブログで離婚を発表。近い関係者によると、女性問題をきっかけに07年春場所後、タミルさんをモンゴルに帰す形で別居生活に突入。子供2人のことも考えて復縁を望むタミルさんに、今年1月に離婚届を渡し、4月末に離婚を成立させたという。既にタミルさん似の女性と交際しているとの情報もあり、早期再婚の可能性もある。

 離婚を望んだのは朝青龍だった。複数の関係者の話を総合すると、朝青龍とタミルさんは07年春場所後、東京とモンゴルとの別居生活を始めた。理由は女性問題だった。ある関係者は「04年8月に盛大な披露宴を行った後から、横綱は無断外泊することが多くなった。東京場所で自宅に帰れるはずなのに帰らないこともしばしばだった。夫婦でいさかいが絶えなくなり、横綱の方から別居を切り出した」と話す。

 やむなく子供2人とともにモンゴルに帰国したタミルさんは、直後から朝青龍と離婚、復縁の双方の可能性をさぐりながら話し合いをスタートさせた。一時は関係が改善し、朝青龍が「サッカー問題」で07年8月から約4カ月のモンゴル謹慎生活を強いられた後、日本に戻る際もタミルさんがウランバートル空港まで送り届けていた。

 だが、朝青龍には女性のウワサが絶えず、08年春場所前のハワイ旅行ではモンゴルの資産家令嬢が同行していたとの情報もあった。朝青龍の有力後援者は「あの女性とは既に別れ、現在は別の女性と付き合っている」と証言。その女性は、朝青龍が復活優勝を果たした今年初場所千秋楽の高砂部屋パーティーにも出席していたそうで「容姿がタミルさんに似ていて、タミルさんが来ていると誤解した報道機関もあった」と同後援者は話している。

 それでもタミルさんは家族4人での生活を取り戻そうとしていた。初場所後、朝青龍からの署名入り離婚届が届いたが、それを保管し続けていた。そこに離婚を望む朝青龍が「早くサインして役所に出してほしい」と強く要求。タミルさんは夏場所前の4月末に、やむなく離婚届に署名し、朝青龍に渡したという。

 文字通りの朝青龍による「ごり押し離婚」。離婚条件は、子供2人の親権はタミルさんが持ち、慰謝料でウランバートルの中心地と郊外にある高級マンション2つ(計約1億円相当)を贈呈。月額2000ドル(約19万円)の養育費を末っ子の長男(3)が18歳になるまで払う条件だった。

 元横綱夫人となったタミルさんはCMモデルの活動を開始し、出演したシャンプーのCMが6月中旬からモンゴルで放送されている。ある関係者はこの日、「タミルさんは日本での活動も視野に入れているが、横綱との復縁をあきらめ切れていなかった。今日(6日)の発表にはショックを受けているようです」と話した。一方で独身となった朝青龍は、残る相撲人生とともに、新たな女性の存在も含め、周辺の騒ぎは収まりそうもない。