<卓球:世界選手権>◇1日◇女子ダブルス2回戦◇横浜アリーナ

 日本女子のエース福原愛(20=ANA)が、平野早矢香(24=ミキハウス)と組んだ女子ダブルスで16強を決めた。前日のシングルスに続き、混合ダブルスも2回戦で惜敗と嫌な流れが続く中、気持ちを切り替えて、トルコペアに4-2と競り勝った。2日の女子ダブルス3回戦では、シングルスで敗れたシャル(ドイツ)と再戦する。

 吹っ切れたように、福原は明るい表情を見せた。トルコペアとの2回戦は、ゲームカウント2-0から追いつかれ、逆転負けしたシングルスと同じような展開。だが冷静さを欠いた前日とは違った。平野と言葉を交わして気持ちを落ち着かせる。第5、6ゲームを連取して試合を終えると、笑顔でタッチを交わした。

 終始ノビノビとプレーした。第1ゲーム、8-7の場面でミスをした。自身が打ち終えた後、立ちつくしていたため平野と交錯し、返球できないまま同点とされた。福原は申し訳なさそうに謝ると、平野は左手でそれを制し、次のプレーに切り替えるよう言葉と態度で示した。入場時から「勝っても負けても2人で一緒だから。シングルスより怖くない」と、ともにシングルス2回戦敗退の雪辱をしようと誓い合っていた。

 4歳上の平野とのペアは初結成した03年に、世界ジュニア選手権銅メダル。福原は日本代表でも極端に年少で子供扱いされていると感じることが多かったが、平野だけは違った。遠征や合宿で卓球への熱い思いを聞かせてもらい、いつしか気兼ねなく話すようになった。誕生日にはプレゼントを欠かさない。今大会のシングルスは同じように逆転負けしたが「パートナーなんだなと感じた。2人で頑張ろうという気持ちで臨んだ」という。

 2人のコンビは07年に約3年半ぶりに再結成され、同年のオーストリア・オープンではアテネ五輪金メダルの張怡寧、王楠組ら強豪を連破して優勝した。所属が違い、国内大会で組むことはないが、誰もが認める日本女子最強ペアだ。

 8強進出をかけて前日のシングルスで敗れたシャルのペアと対戦する。今年3月のドイツオープンのダブルス準々決勝で敗れている相手。「ダブルスは初めから(メダルを)狙っているので大事に戦いたい」。冷静さを取り戻した福原が雪辱に燃えている。【高田文太】