<センバツ高校野球:利府5-4早実>◇3月31日◇準々決勝

 3年前のエース斎藤佑樹投手(現早大)を超えることはできなかった。早実(東京)が4強入りを目前に姿を消した。新背番号1の小野田俊介投手(2年)が5点を奪われ、逆転を許した5回を振り返った。「腕を振って思い切り投げた。でも負けたんで悔いはあります」。

 2点のリードを背に、内角を突く強気な投球。それが裏目に出た。先頭に死球を与えた。同点とされなおも続いた1死満塁で中前打された。これも内角速球だった。「腕は振れていた。自分ではいい球を投げられたと思った」と、悪びれずに勝負した1球を語った。和泉実監督(47)は「ウチの1番を背負っているなら、あそこで抑えないと。しのげないなら本当の1番かという声も出てきます」と話した。そしてこう付け加えた。「敗戦から成長すると信じている」。

 3年前の斎藤は春の8強から夏は全国の頂点に立った。小野田は「ストレートの制球を磨いていきたい。斎藤さんを超えられなかったのは悔しいですが、もう1度同じ形で夏優勝できたら」。課題を挙げて、斎藤に並ぶ夏制覇を見据えた。【米谷輝昭】