DeNAがナゴヤドームで無敵を誇っていた中日に打ち勝ち、単独首位に返り咲いた。バルディリスが後頭部付近に死球を受け、負傷退場するアクシデントもあり、最大6点差のリードを一時は1点差に詰め寄られたが、なんとか竜を振り切った。中畑清監督(61)は「気持ちのすきというか、野球の怖さをあらためて教えてもらった。負けないで勝ちゲームに出来たことが救いだった」としみじみ振り返った。

 前夜の敗戦で同率首位に3球団が並ぶ状況を打開したのは攻撃力だった。1点を追う2回無死一塁、ロペスの4号2ランで逆転に成功すると、4回には黒羽根の1号ソロで追加点を挙げた。広いナゴヤドームで空中戦を仕掛けた。かと思えば、6回には関根が左中間を破る三塁打でチャンスメークし、1死二、三塁から梶谷が三遊間を抜く2点適時打を放ち、地上戦でも得点を重ねた。最後は8回、再びロペスの5号ソロで完全に竜の息の根を止めた。

 日本一になった98年の「マシンガン打線」にバズーカ砲も加わった強力打線が快進撃を支えている。本塁打は両リーグトップの12本、62得点もリーグトップで他球団の脅威と化している。今季、ナゴヤドームで全勝中だった中日にも土をつけ、強さは一段と本物の味を出してきた。中畑監督は「気持ちを込めて油断なく最後まで戦い抜く。いつもは逆転されるパターン。今日は手応えのある勝ちゲームができた」とうなずいた。中日のお株を奪うかのように、打って、打って、打ちまくる。【為田聡史】