広島が切り込み隊長田中広輔内野手(25)の活躍で6カードぶりの勝ち越しを決めた。三塁側からセンターバックスクリーンまで真っ赤に染めたコイ党の声援が力になった。田中が右へ、中へ、左へ快音を響かせ、今季9度目の猛打賞。2桁安打の打線を勢いづかせた。緒方監督は「オリックスの勝ちパターンの投手から勝ち越せたのは大きい。全員でつかんだ勝利だ」とナインに賛辞を贈った。

 追いつかれた直後の9回だ。先頭で打席に立った田中は、守護神平野佳の初球を「狙っていた」。高めに浮いた真っすぐを振り抜き。左翼線二塁打。勝ち越しへの突破口を開き、その後わずか2球(犠打と暴投)で生還した。

 4試合連続安打となり、交流戦5試合で打率は3割4分8厘だ。「初球からどんどん行こうと思っている」。攻撃的スタイルが好結果を生み、打線をけん引している。【前原淳】