日本ハム栗山英樹監督(54)の来季続投が決定したことが27日、分かった。球団側は時機を見て正式に打診する方針を固め、同監督も受諾する見込み。就任4年目の今季は現在2位で、クライマックスシリーズ進出が確実視される状況。若手主体へ転換したチームを強化、再構築した。伸びしろ十分の戦力を有し来季以降、強固な基盤をさらに固めるために必要不可欠な存在。日本ハムが北海道に移転後の指揮官では、最長の5年目の来季を託すことになる。

 栗山監督が来季も指揮を執ることが、決まった。編成権を持つチーム統轄本部が水面下で、最終の意見調整を完了。異論ない総意で続投要請する方針が、この日までに固まった。高い統率力に、近年は主力層の若返りと世代交代が激しい中で、適切なかじ取りを実践してきた手腕を評価。今後の球団強化を託すには絶対的な人材として、当然の判断を下した。「このチームを強くする、何とかする責任がオレにはある」。同監督は強い覚悟を抱いており、受諾は確実な見通しだ。

 長期政権になる。来季で就任5年目に突入する。球団が今季で北海道へ本拠地を移転して12年目。球団がフロント、強化指針など抜本的な改革を図ったのが、強化に成功した北海道への移転後。移転前年03年から指揮した初代監督のトレイ・ヒルマン氏(52=アストロズ・ベンチコーチ)は東京ドームで1年、札幌ドームで4年。前監督の梨田昌孝氏(62=日刊スポーツ評論家)も、4年間で退任した。栗山監督が最長になることからも、球団側からの信頼度の高さが分かる。

 着実に、歩みを進めてきた。ダルビッシュがメジャー挑戦した翌12年に就任し、リーグ制覇。13年は最下位に沈むも、昨季は3位へ躍進させた。稲葉と金子誠のベテラン勢が引退し、主力の若返りと世代交代が必須になった今季。若手の芽を伸ばしながらチームを底上げし、先導してきた。開幕からは首位を走り、残り28試合の現在も、独走気配のソフトバンクを必死に追う2位と抵抗。若返った主力層を状況に応じながら転換し、適材適所で登用し、活路を開いてきた手腕は評価が高い。

 未来を背負う。2軍にも伸びしろある有望な選手がそろう来季以降、さらに将来的なチームの基盤を固めることが必須。球団側は遂行するためには、不可欠なキーパーソンが栗山監督と結論を出した。投手陣には今季で3年目を迎えた大谷と有原ら、まだ成長の余地を残す素材がひしめく。野手では中田と陽岱鋼が完全に台頭。特長ある個性を発揮している中島らの芽を伸ばし、2軍には浅間ら魅力ある逸材がそろう。正真正銘の常勝球団へと、栗山監督が導いていく。

 ◆日本ハムの長期在任監督 連続では大沢啓二の76~83年まで8年間が最長で、81年に日本ハムとして初のリーグ優勝に導いた。大沢監督は84年途中から、さらに93、94年も指揮を執っている。前身の東映時代は61~67年に水原茂が7シーズン連続で務めた。球団史上初の外国人監督となったトレイ・ヒルマンは本拠地移転前年の03年に就任、07年までの5年間。95年就任の上田利治は欠場もあったが95~99年まで務めた。高田繁(85年~)梨田昌孝(08年~)らが4シーズンで采配を振った。