優勝争いの中、阪神に激震が走った。中村勝広ゼネラルマネジャー(GM)が23日、都内のチーム宿舎で急死した。66歳。死因は急性心不全で事件性はないという。71年ドラフト2位で阪神に入団。二塁手として活躍。90年から監督も務め、タテジマを愛した中村氏の訃報に、球界が悲しみに暮れた。葬儀・告別式は未定。

 阪神掛布雅之ゼネラルマネジャー付育成&打撃コーディネーター(DC=60)は中村GMの死去にショックを隠せなかった。23日は今季の2軍公式戦最終戦のオリックス戦(佐藤薬品)をネット裏から視察していたが、訃報が入った午後3時ごろから関係者への確認に追われ、携帯電話手に何度もブースを出入りした。「10日前も鳴尾浜で会ったし先日も電話で話したばかり。あまりにも身近な方ですし、冷静に受け止められない。まったく信じられないし、ウソだと思いたい」と懸命に言葉をつないだ。

 6学年上の同郷千葉の先輩で、73年の「入団テストを受けた時からかわいがってもらった」という。現役時代は二塁中村、三塁掛布の内野布陣を形成。13年オフにDCとして招かれ、一緒に若虎の底上げを目指してきた。「若手をどうするとか、強くしたいGMの思いを感じていた。こういう時期にこういう報告を聞いて、チーム(1軍)も非常に苦しい状態になった。ドラフトも控えているし球団も大変だと思う」と影響の大きさを憂い、大きく肩を落とした。【松井清員】