阪神の監督問題が今日30日、決着する。電鉄本社で坂井信也オーナー(67)南信男球団社長(60)のトップ会談が持たれ、最終調整を経て金本知憲氏(47)への新監督要請を正式決定する。本社、球団間の意思統一がはかれれば、条件面検討を行って、すぐにでも要請を行う方針だ。

 阪神の監督問題が今日、決着する。電鉄本社で行われる定例報告で坂井オーナーと南球団社長がトップ会談を行う。主な議題として金本知憲氏に来季監督を要請するかの最終調整が行われるという。

 「まだ、一本化まではいっていない。明日の話し合いで決まるでしょう」

 球団関係者はこう明かした。03年、05年のリーグ優勝に主砲として貢献し、人気、実績ともに抜群。周囲からの人望もある金本氏は改革路線へかじを切る猛虎にはうってつけの人物だ。

 ただ、球団内には岡田氏を推す声もあるため、両トップの間での最終調整がクリアされれば、晴れて金本氏に正式要請することが決まるという。そうなれば提示する条件面なども検討され、すぐにでも要請の準備に入る。阪神のシーズン最終戦は10月4日でまだ全日程を終了していないが、現在、チームは優勝が消滅し、2位すら厳しい状況のため、新体制への移行は早い方がいいという。10月10日のCS開幕前に正式要請することは決定的だ。

 「もちろん、お願いするとなっても、受けてくれると決まっているわけではない。条件面などいろいろあるでしょうから」

 球団関係者が言うように明日10月1日以降は、受諾に向けての交渉が待っている。複数年契約を前提として条件面の他にも、野球観や、人物像、組閣を球団主導にするのか、金本氏主導にするのか、という問題も話し合わなければならない。今日のトップ会談は金本阪神誕生へ向けて、それほど重要な意味を持っている。

 関係者の話を総合するとよほどのことがなければ、最終調整はクリアされる見通しだという。来季新監督は金本氏-。9月30日が新政権誕生の出発点となる。

 ◆金本知憲(かねもと・ともあき) 1968年(昭43)4月3日生まれ、広島県出身。広陵-東北福祉大から91年ドラフト4位で広島に入団。03年から12年まで阪神。実働21年で通算2578試合出場、2539安打、打率2割8分5厘、476本塁打、1521打点。連続フルイニング出場1492試合(世界記録)、連続試合出場1766試合(歴代2位)。04年に打点王。95、00、01、04、05、06、08年にベストナイン外野手受賞。現役時180センチ、88キロ、右投げ左打ち。