天理大が5季ぶり15度目のリーグ優勝を飾った。帝塚山大に圧勝。対戦5校すべてから勝ち点を挙げる完全Vとなった。先発の服部僚亮投手(2年=市尼崎)が8回2安打1失点、9回はエース山本竜也投手(3年=天理)が締めた。天理大は明治神宮野球大会進出をかけ、関西地区大学野球選手権(31日開幕)に出場する。

 優勝への仕上げ、9回裏の守りを迎え、天理大・藤原忠理監督(50)は、思いを込めて山本竜をマウンドへ送った。8回まで先発の服部が自責0と好投、しかも8点リード。だが藤原監督は、今季リーグ最多の6勝右腕を「功労者ですから」と優勝マウンドに立たせた。山本竜は1点取られたが、試合を締めくくった。歓喜の輪。「あれがやりたかった。人生初です」と笑みがはじけた。

 苦しさを乗り越えた。今季対戦5カード中、初戦を3度落とした。そこから勝ち点につないだのは「自分たちがやってきたことを信じた」力だと、舩曳翔主将(3年=天理)が言う。熱血主将に奮投エース、加えて吉村昂祐内野手、ベンチ入りの隈元周内野手は12年春夏甲子園出場の天理高同期。粘りの軸となり、全員で前進する力を生んだ。

 連盟創立60周年の秋を制し、天理大にとっては初の明治神宮野球大会を目指す。関西5リーグから2代表の枠。藤原監督は「打線の調子を維持していけば」と、次の厳しい舞台を見据えた。【宇佐見英治】