金本イズム第2弾は「超攻撃型速攻」や!! 阪神金本知憲新監督(47)が25日、甲子園で行われた秋季練習で指導し、早いカウントから積極的に強振していくチーム方針を明かした。フリー打撃の振り始めから強く振る姿勢を掛布雅之新2軍監督(60)らにも伝え、チーム全体のルールとして徹底的に浸透させる。前日24日は強く振る重要性を説いていた。いかに速攻で敵に威圧感を与えるか。攻めて攻めて攻める虎に生まれ変われ!!

 秋晴れの甲子園に乾いた打球音が響き渡る。打撃ケージ内で打つ若虎のスイングスピードが明らかに違った。鋭く、力強く。向かい来る白球をつぶすように衝撃を伝えていく。金本新監督はじっと腕組みし、ときには身ぶり手ぶりで教え込み、ときには真横から熱視線を送っていた。秋季練習指導2日目に「絶対変えないといけないところは」と問われると語気を強めた。

 「うまく打とうとしすぎている。みんな、2ストライクに追い込まれた後の打撃を、若いカウントでやっているイメージだった。とりあえず、若いカウントは強く振る! ヒットを打つ! 2ストライクまでは今まで以上に倍、振らせる。倍、強く打たせる」

 阪神のユニホームを脱いでから3年間の評論生活で身に染みて感じたことだろう。打席で結果を求めるあまり、大事にいき過ぎて小さくまとまってしまう。阪神の打者は総じて迫力に欠けた。初球から積極的に振りにいくスタイルを絶えず貫いていたのはベテラン福留と外国人ゴメスくらい。来季は違う。金本監督が掲げる方針は「超攻撃速攻」だ。初球から強振し、投手に威圧感を与える。無駄な待球はNG。とにかく、攻めて、攻めて、攻め抜く姿勢をナインに求める。

 そのために、まずは練習の心構えから変える。金本阪神はフリー打撃でも決まり事を作る。指揮官は「最初の何球かは強く打てと指示を出したし、これはファームも徹底して、掛布さんや打撃コーチにも伝えて、1つの方針としてやっていこうかなと」と明かす。この日は右方向に集中的に打っていた大和や上本らが強振を実践。「セカンドゴロを打つのに、右方向に緩いゴロを打つ習慣になっている。もったいない。アウト1個、あげるのが。ヒットを打って欲しいのよ! 試合でできるようにするのが練習」と指揮官は続けた。

 ソフトバンクもヤクルトも打者が初球から積極的に強振し、強打でペナントを制覇した。そのド迫力と脅威は敗者が、もっとも痛感しているはずだ。球を受けない。散漫に攻めない…。金本タイガースでは初球から片時も目を離すな!!【酒井俊作】

<金本監督の現役時代の積極打法>

 ◆初球打ちで初本塁打 プロ初本塁打は2年目の93年9月4日横浜戦。8回に代打で三浦の初球を右越えに。試合は敗れたが一矢を報いる1発だった。

 ◆初球を52本塁打 通算476本塁打のうち、12年6月5日楽天戦で美馬から放った先制弾まで、初球打ちが52本。

 ◆2球目までなら142発 2球目に本塁打したのは90本。初球と合わせると、2球目までの本塁打は142本で、全本塁打の3割にあたる。