俺も夢の舞台へ-。ソフトバンク寺原隼人投手(32)が3球団からのオールスター出場に意欲を燃やした。26日に福岡市内のイベントで有馬記念を予想。過去に横浜(現DeNA)、オリックスで2ケタ勝利&球宴出場を果たした。ホークスではともに未経験で、来季の悲願に掲げた。

 有馬記念の熱気にあおられたのか、寺原が自らの「夢」をストレートに明かした。「チームとしては優勝が目標だが、個人の目標はプロ15年目になるし、キャリアハイの成績を残したい。他の球団ではあるが、ソフトバンクで2ケタ勝つのが、僕の夢でもある」。横浜の07年、オリックスの11年に自己最多の12勝を記録。しかしダイエー時代を含め、ホークスでは大台に到達したことがない。今年も8勝で届かなかった。

 視線の先にあるのは、夢の舞台だ。先の2球団ではオールスター出場を果たした。しかも横浜では守護神、オリックスでは先発と異なるポジションで選出されている。これもホークスでは未経験。「3球団で出られるなら、ぜひ出てみたい。やりたいですね」。異なる3つのユニホームでマウンドに立つことに意欲を見せた。3球団からの出場は指揮官である工藤監督が西武、ダイエー、巨人で成し遂げた離れ業だ。

 来季の起用に関して、寺原自身に強いこだわりはない。「今まで先発も中継ぎも抑えも全部やらせてもらった。どこで行けと言われても、苦労することはなかった」という。しかし悲願の2ケタ勝利を実現するためには、開幕から1軍に入り、結果を残すことが必須条件になる。「スタートダッシュすることに越したことはない」。昨年は春季キャンプ中も右膝手術のリハビリに明け暮れた。来年はライバルと同じスタートラインで臨める。福岡市内でじっくりと自主トレに励み、悲願達成で完全復活を印象づける。【田口真一郎】

 ▼3球団以上で球宴に出場した選手は過去14人。最新は13年に日本ハムから選ばれた木佐貫洋で、巨人、オリックスに続き3球団目となった。4球団で出場は2人で、江夏豊(阪神、南海、広島、日本ハム)、落合博満(ロッテ、中日、巨人、日本ハム)。また3球団で2桁勝利も過去14人で、直近は14年にDeNAの久保康友が、ロッテ、阪神時代に続き達成した。ちなみに、ソフトバンク工藤監督は現役時代、西武、ダイエー、巨人の3球団でいずれも達成している。