阪神期待の若手が、珍指令を受けた。来季2年目を迎える植田海内野手(19)が29日、同じ滋賀出身のソフトバンク松田、楽天則本の侍ジャパンコンビにマイクパフォーマンスをダメ出しされた。滋賀・長浜ドームで行われた野球教室にゲストとして参加。「来年は甲子園でお立ち台に立てるように頑張ります」。トークショーで目標を口にすると、同郷の先輩から厳しい言葉が飛んだ。

 松田 う~ん、30点ですね。教科書通り。もっと教科書から外れたことを言ってほしい。プロ野球選手として夢を与えられるように、(メディアに)取り上げられるようなことを言わないと。選手はヒーローインタビューでも決めぜりふを持ってほしい。

 植田はその後、甲子園のお立ち台に立った想定でのヒーローインタビューにもチャレンジ。「レッツゴー、アミーゴ、古沢勝吾!」とポーズをつくって場内を沸かせたソフトバンク古沢に続いての登場だったが…。パフォーマンスなしで「来年は甲子園のビジョンに映ってお立ち台に立ちます」と真面目に目標を語り、則本から「10点ですね…」とツッコミが入った。

 植田は金本監督の期待も大きく、11月には新指揮官の意向で1軍秋季キャンプに緊急合流したほど。俊足を生かすため、両打ちにも挑戦中。閉会式では「来年は1軍で盗塁を決めたい」。甲子園で、この日のお立ち台の“練習”の成果を発揮する。【福岡吉央】

<阪神選手のお立ち台名場面>

 ◆オマリー 日本語で「ハンシンファンガ、イチバンヤ!」と叫び人気。

 ◆新庄剛志 99年6月12日巨人戦で延長12回に槙原の敬遠球をサヨナラ打してお立ち台で「明日も勝つ!」。同9月10日巨人戦でも決勝弾を放って再び「明日も勝つ」と絶叫。

 ◆広沢克実 01年6月21日巨人戦のお立ち台で「次にサヨナラ打を打ったら『六甲おろし』を歌います」と約束。8月29日の巨人戦で公約通り熱唱。

 ◆葛城育郎 08年7月2日中日戦でプロ初のサヨナラ打。「勝利の雄たけびを」と言われ、両手を突き上げて「ウォー」と絶叫。強烈なインパクトを残した。

 ◆金本知憲 弟分の新井貴イジリが定番。08年に自分の2000安打と新井の1000安打が同日達成になり「キモイっすね」。

 ◆関本賢太郎 08年7月25日に自身初の満塁弾を放った試合で「自分の出したゴミは自分で持って帰るようにお願いします」とファンに呼びかけた。また「必死のパッチです」というフレーズが人気を呼んだ。