「消える魔球」を駆使して最強左腕になる。西武菊池雄星投手(24)が、本格的にフォーク習得に乗り出した。最速151キロを計測した12日のシート打撃では持ち球のスライダー、カーブ、チェンジアップを投げたが「チェンジアップだと腕が緩んでしまう」と分析。前日14日のブルペンからフォークを試したと15日、明かした。今日16日からの第4クールでも投げ込むつもりだ。

 強靱(きょうじん)な下半身が、腕の振りも変えた。オフの肉体改造で「フルスクワットは170キロから200キロ、デッドリフトも230キロから300キロに増えた」。ウエートの重量とともに、パワーアップに成功した。「フォークのほうが、(直球と)同じ腕の振りで投げられるんじゃないか」。これまではキャンプで試しながらも、試合では使わなかった「勝負球」の習得へ手応えをつかんだ。

 昨季は133イニングで122奪三振。左腕史上最速の157キロの直球と同じ軌道で打者に向かって落ちるフォークが加われば、鬼に金棒だ。今季自身初の2ケタ勝利を狙う左腕は「今までは1試合悪いと、考えて修正していた。今年はとにかく腕を振って、四球も少なくしたい」。白星を重ねるため、新たな挑戦が始まった。【鹿野雄太】