侍ジャパン先発の菅野智之投手(26)が、台湾打線を制した。強い直球を軸球に選択し、ストライク先行で攻める本来の投球。3回を被安打1の無失点、球数を30球にまとめた。奪三振も4個。「中村(悠)がうまくリードしてくれた。思ったボールを投げることができた」と納得できた。

 日本が苦しめられた中軸の右打ち3枚に、力勝負を選択した。3番の林智勝は昨季トリプル3を達成。4番の陳金鋒はドジャースでプレー経験がある。5番の高国輝は、昨季39本塁打でタイトルを獲得した。1回、林智勝を外角145キロで見逃し三振。2回、陳金鋒を内角144キロで二飛。高国輝には外角149キロで空振り三振。大切な立ち上がりで悠々と上をいった。

 大切な登板と決めていた。「プレミア12で力のなさを痛感し、情けなさがあった。代表にはいい投手がたくさんいる中で力み、気持ちと体をコントロールできなかった。0点で抑え、成長した姿を見せたいと思っていた」と明かした。国際試合では、勝ち上がりが進むほど小手先の投球は通用しない。台湾相手に見せつけた姿が、大一番を託す上で最も重要な資質となる。【宮下敬至】