虎が急停止した。ヤクルトに延長10回の末、サヨナラ負けを喫した。相手のミスで得点を得ながら、阪神藤川球児投手(36)マルコス・マテオ投手(32)ら救援陣が踏ん張れずに痛い逆転負けだ。14残塁の拙攻も響く敗戦で、4カード連続勝ち越しとはならず。3位DeNAとは再び5ゲーム差となり、CS圏内がまた遠のいた。
ヤクルトファンの歓喜を背に、藤川とマテオは力なく神宮の三塁側を歩くしかなかった。「結果が悪かったんで。それだけです」。2回3失点の藤川が言葉を絞り出すと、2イニング目の10回、比屋根にサヨナラ打を浴びて3敗目を喫したマテオも首を横に振った。「調子は悪くなかった。次頑張ります」。11試合連続無失点だった藤川と、同17試合だったマテオがまさかの共倒れ。虎の4カード連続勝ち越しは夢と消えた。
「後ろは7月ぐらいから安定しだしていたのかな。あの2人で、痛いのは痛いけどね」。金本監督も悪夢を苦い表情で振り返るしかなかった。1番の誤算は藤川だろう。2点リードの7回に登板。だが先頭比屋根に二塁打を浴びると、坂口とバレンティンの適時打2本で同点。「明日月曜日だし、(2日間)登板間隔も空いていたから」。監督が続投を命じた8回も、比屋根に勝ち越し二塁打を浴びた。 抑えていれば、かつての盟友ウィリアムス超えの155ホールドポイントで球団新記録だった。だが、祝福ラッシュを浴びるはずだったマウンドで、10年9月30日横浜戦(甲子園)以来の3失点。その6年前の一戦は矢野燿大の引退試合だったが、9回村田に逆転3ランを浴び、矢野の花道どころか優勝も遠のいた試合だった。この日、2回で要した52球は救援復帰後最多。最速150キロの真っすぐもほとんど高めに浮くなど、制球に苦しんだ。あの日と同じ、苦い夜になった。
ラッキー勝利は目前だった。原口に同点適時打が出た5回。右翼に打ち上げた代打狩野の飛球を比屋根が失策し、2点を勝ち越し。6回にも左翼バレンティンが鳥谷のライナーにグラブを差し出しながら後逸する適時失策で1点を追加。今季球運に見放されていた虎が、幸運な3点をもらった。その後2点差に迫られたが、藤川&マテオのリレーで逃げ切るだけだった。
だが13四球をもらいながらあと1本が出ない拙攻に、勝利の女神も最後はそっぽを向いた。金本監督も「もう1つ追い込みが」と悔やむ14残塁。明日9日から敵地で戦う首位広島3連戦に切り替え、意地を見せたい。【松井清員】
▼阪神のサヨナラ負けは6月26日広島戦以来で、今季8度目。ヤクルト戦では5月25、26日以来3度目で、対戦別最多。延長戦は今季10試合目で、2勝5敗3分けと苦戦している。



