ソフトバンクが泥沼にハマり込んだ。6回の守備の乱れが、チーム状況を表した。1点リードで迎え、東浜が2者連続でゴロの処理を誤った。投手の1イニング2失策はリーグタイ記録。ピンチを広げ、一気の3失点で逆転を許した。「勝っていた試合で焦ることはなかった。僕の責任です。ミスが負けにつながった。チームに申し訳ない」。連敗中の重苦しさが右腕を襲った。今季5敗目に、謝罪の言葉を並べた。

 日本ハムの猛追を受ける中、野手にも硬さが見られた。2回には松田がバント処理でエラー。6回にも柳田が中継まで悪送球で失策を記録した。今季ワーストの1試合4失策。初回には長谷川の痛烈な打球が二塁正面を突き、併殺プレーで満塁のチャンスをつぶすなど、運もなかった。工藤監督は「そんなに(ミスが)目立っていた? 優勝のプレッシャーではないと思う。点が取れないと、ミスしないように、と気をつけることがミスにつながることもあり得ること」と冷静に受け止めた。

 指揮官の落ち着きとは裏腹に、不安は募る。5位オリックスに2年ぶりとなる同一カード3連敗。工藤政権では昨年に6連敗があるが、リーグ優勝決定後の消化試合だった。今季ワーストの5連敗は、その時とは状況が違う。しかし工藤監督は強気の姿勢を崩さなかった。「危機的状況ではない。上にいたのが、差が縮まっただけ。下にいるチームの方が負けられない。並ばれたとしても、開幕と同じになるだけ」。日本ハムも敗れ、3ゲーム差は変わらず。追うチームも苦しいだけに、早く苦境を打開したい。【田口真一郎】