中堅組も盛り返す! 阪神上本は1軍復帰即スタメン起用され、値千金の今季1号で金本監督を喜ばせた。1点リードされた直後の8回2死。高木の高めに浮いたカットボールを振り抜いた。左中間席中段まで届く豪快弾。「投手の投げたボールに対応するだけでした」。流れを一気に引き戻す同点ソロが劇的勝利の土台を担った。

 試合前時点で、今季1軍20試合出場の打率1割3厘。7月23日に出場選手登録を抹消されてから1カ月間、真夏の鳴尾浜を主戦場とした。2軍戦では本職外の三塁も守り、顔は日焼けで真っ黒だ。久々に舞い戻った華やかな舞台。「結果です。結果しかないので」。この日の2安打には意地が詰まっていたに違いない。

 金本監督 昨日、中堅にしっかりしろと言ったけど、やっと上本も上本らしくね。小力があるんで、らしさを出していってほしい。アクロバットに伸び伸び打てばいい。

 4連敗を喫した前日20日巨人戦後、指揮官は攻守に精彩を欠いた陽川の話題に入ると、あえて中堅組の名前も口にした。「今成や新井良太、上本らの(三塁)経験者がしっかりしていれば、もちろんそういうメンバーになるんだから」。この言葉から一夜明け、まずは上本が結果で存在を訴えた。【佐井陽介】