日本ハムは一夜で首位から陥落した。西武戦(大宮公園)は「3番DH」で予定していた大谷翔平投手(22)が体調不良で急きょスタメンを外れ、先発した有原航平投手(24)は今季最短の4回6失点で降板という誤算続き。連勝は4でストップし、ソフトバンクがロッテに勝ったため、マイナス0・5ゲーム差の2位へと逆戻りした。

 日本ハムは、至難の快進撃を遂げて奪った首位を、一夜で明け渡した。試合前から重いアクシデントが直撃した。「3番・DH」で先発予定だった大谷が、出場を回避。風邪の症状のような体調不良が理由で、開始10分前に球場から姿を消した。2回までに3失策が絡んで6失点。高いモチベーションはあっても、反攻するにはダメージが大きすぎた。22歳の体調管理の不備が響いた完敗だった。

 栗山監督は「何か足りないって、ことだよね。何か足りない」と嘆いた。ソフトバンクとの最大11・5ゲーム差をひっくり返し、初めて追われる立場になった。栗山監督はミラクルVは、完結して意義があると訴えていた。「『歴史は勝者のもの』なんだ。織田信長だってそう。勝たないといけない」。残り28試合に思いを託して組んだラインアップを突如、組み替えた。大谷の代役で3番に近藤を据えて急場をしのぎにいったが、荷が重かった。

 存在の大きさに直面した。先制機の1回1死三塁で、代役3番の近藤。四球で出塁も二盗を試みて一・二塁間に挟まれる。この間に三塁走者の陽岱鋼が本塁を狙うもタッチアウト。一瞬でチャンスがついえた。唯一の反撃機、6回無死一、二塁でも近藤が遊飛。1点を返した直後だけに機運を下げた。穴を埋められなかった。3失策と堅守も乱れ完敗した。大谷の今日27日の出場は、当日の様子を見て決める。栗山監督は再度、奮い立たせた。「結果がすべて。頑張ります」。残り27試合のマッチレース。首位からの再スタートで、まずはつまずいたが、真剣勝負は続く。4年ぶりのミラクルVへ、もう1度、手綱を締める。

 ◆ゲーム差 上位との差を示す目安の数字。貯金(勝数と敗数の差)の差を2で割った数字。順位は勝率で決まるため、試合消化数や引き分け数の関係で、2位の貯金が首位より多くなる「マイナスゲーム差」が生じることがある。