主砲が大ブレーキだった。4打数無安打3三振に終わった日本ハム中田は、潔く完敗を認めた。「打てる球がなかった。個人的には手も足も出なかった」。広島ジョンソンに脱帽。力負けの内容をサバサバと振り返るしかなかった。

 序盤の勝負どころで、完璧に封じ込まれた。1回1死一、三塁では空振り三振。先制のチャンスを逸すると、1点を追う3回1死一、二塁の場面では投ゴロ併殺打。試合の主導権争いの中で4番の仕事を果たせなかった。「カットボールが予想以上に良かった」と懐をえぐられ、リズムを狂わされた。

 広島は4番に抜てきされた松山が、大谷から会心の1号ソロを放って試合の流れをつかんだ。栗山監督も「ご覧の通り。大事な試合は中心選手が機能すれば、勝ちやすい」と振り返った。立て続けに訪れた好機での主砲の沈黙が、悪い流れを呼び込んでしまった。

 4番は、前を向く。「今日の負けは正直、痛いですけど明日も試合がある」と、気持ちを切り替えて球場を後にした。下を向いているヒマはない。故郷・広島での大舞台。今日23日の第2戦で、やり返す。【木下大輔】