真夜中のラブコールや! 阪神がFA交渉が解禁となる11日午前0時ジャストに、獲得を目指すオリックス糸井嘉男外野手(35)に電話で初交渉のアポイントを取るプランが浮上した。四藤慶一郎球団社長(56)が5日、「11日の午前0時00分から交渉はいける」との認識を示した。恋人に1秒でも早くコンタクトを取り、熱意を伝えたい。交渉解禁日が迫る中、虎の獲得準備にも力が入ってきた。

 1秒でも早く恋人とつながりたい。時計の針が0時を指したら…。阪神が最大限の誠意を表すために、「真夜中のラブコール」も辞さない構えだ。今オフ補強の大本命に挙げる糸井がFA権行使の意思を表明。10日にFA宣言選手として公示され、翌11日から交渉が解禁となる。残留を目指すオリックスと一騎打ちの様相ではあるが、球団としては、いの一番に手を挙げたい。キャンプ地で、四藤球団社長は交渉スケジュールの認識をこう示した。

 「10日は(まだ電話も)ダメでしょう。11日の午前0時00分から、交渉はいける」

 FA市場の扉が開いた瞬間に、交渉のアポイントを入れる。依然として、ターゲットの具体名は挙げなかった。それでも目玉補強の実現に向け、並々ならぬ決意をにじませた。熱烈なラブコールを送るために、11日の即日交渉を視野に入れた。そのために、金本監督が10日にキャンプ地から帰阪し、直接出馬の準備も進めている。

 伝説の再現なるか。96年11月12日。当時の西山球団本部長は午前0時ジャストに、電話をかけた。西武からFA宣言した清原に対するラブコール。交渉解禁日になった瞬間だった。獲得には至らなかったが、「阪神が一番に来た」とその姿勢は相手を感動させた。そして交渉の席では、吉田監督が「ユニホームの縦ジマを横ジマに変えてでもほしい」と口説き文句をぶつけた。

 球団史に残る最大級の誠意を再び見せる可能性がある。金本阪神は糸井の獲得をそれだけ熱望している。オリックスが残留交渉で提示した4年最大18億円(推定)にも匹敵するオファーを用意。行動でもできる限り、最善を尽くす考えだ。悲願とも言える12年ぶりのリーグ制覇に、必要不可欠な大型補強。何としてでも、糸井のハートを射貫く決意だ。【田口真一郎】

<阪神が獲得したFA選手初交渉>(球団名の後は宣言した年)

 ◆高橋聡文(投手、中日=15年)11月14日 大阪市内ホテルで。金本監督が電話でサプライズ参戦し「一緒に頑張ろう」。

 ◆日高剛(捕手、オリックス=12年)11月16日 大阪市内ホテルで。若虎投の「先生」としても期待。

 ◆藤井彰人(捕手、楽天=10年)11月18日(交渉解禁日) 大阪市内ホテルで。

 ◆小林宏(投手、ロッテ=10年)11年1月20日 大阪・泉佐野市内ホテルで。真弓監督出馬。

 ◆新井貴浩(内野手、広島=07年)11月15日 宮崎市内で。交渉後は料亭へ。

 ◆金本知憲(外野手、広島=02年)11月13日(交渉解禁日) 広島市内ホテルで。球団側の「一緒に巨人を倒そう」の熱意で、思いは1つに。

 ◆片岡篤史(内野手、日本ハム=01年)11月8日 東京都内ホテルで。将来の現場首脳、フロント入りも約束。

 ◆星野伸之(投手、オリックス=99年)11月12日 大阪市内ホテルで。野村監督のリードで話がはずむ。

 ◆山沖之彦(投手、オリックス=94年)11月23日 大阪市内ホテルで。16日の交渉解禁日には、ヤクルトと接触した山沖に電話連絡していた。

 ◆石嶺和彦(外野手、オリックス=93年)11月30日 大阪市内ホテルで。西武、中日の後にトリで交渉。その後に中村監督らと食事。