黒田魂を継承する!! 広島クリス・ジョンソン投手(32)が6日、米国に帰国した。今季は15勝7敗、防御率2・15で、25年ぶりの優勝に大きく貢献した。現役引退の黒田博樹投手(41)を欠く来季は、投手陣を引っ張る役割も期待される。頼れる助っ人は主戦としての自覚を胸に刻み、17年シーズンに挑む。

 日本で2年を過ごし、来るシーズンで何を求められているのかは分かっている。広島の大黒柱となったジョンソンにとって、来季は一層の飛躍が期待される1年になる。帰国の途に就く前、来季への意気込みを聞かれると、いつもクールな助っ人が、熱く、真剣な口調で答えた。

 「32歳と年長者となるので、いい見本となり、若い投手と力を合わせて戦っていきたい。黒田がいなくなるが、そこで落ち込んだり、悲しんだりする必要はない。強い気持ちを持って、彼が成し遂げたことを引き継いでチームのため、広島のためにプレーする」

 ベテランの背中に感じるものがあった。「過去2年は黒田が支えていた。若い選手に尊敬される存在だった。一緒にプレーできて光栄だ」。日本シリーズのベンチ入り投手では、現役を引退した黒田に次ぐ年長者。来季から3年契約を結び、在籍年数5年も助っ人投手に限れば最長となる。広島愛の深まりとともに、主戦としての自覚も自然と強くなる。黒田魂を継承する覚悟もできている。

 今季はペナントレースだけでなく、交流戦やCS、日本シリーズと“開幕投手”を務めるなど、大事な試合を任された。カード初戦の先発も多く、相手のエース級との投げ合いも増えた。来日1年目ほどのインパクトを与えられなかったものの、15勝7敗、防御率2・15。安定した投球が25年ぶり優勝につながった。

 優勝パレードにも参加し、昨季よりも約1カ月遅い帰国となった。「長いオフは取れないが、しっかり体を休めながらも、早めにトレーニングをやらないといけない」。早くも来季を向いている。2年連続2桁勝利で、通算29勝。あと11勝で広島助っ人投手最多40勝のバリントンに並ぶ。名実ともに広島最強助っ人投手となる日は近い。連覇、そして日本一へ、2017年はジョンソンがチームの先頭に立つ。【前原淳】