金本監督のように強くなる! 阪神ドラフト8位のパナソニック・藤谷洸介投手(20)が社会人時代から護摩行(ごまぎょう)を行っていたことが6日、分かった。護摩行といえば現役時代の金本監督や広島新井が行う、燃え上がる炎の前で般若心経を唱える精神修行。鍛え上げたメンタルを武器にプロの舞台で戦うつもりだ。

 「大願成就の意味でやっていました。おかげでプロに入ることもできたと思います」

 入団前からアニキの魂を受け継いでいた。過酷な護摩行が始まったのは2年前。同社の先輩だったオリックス近藤に誘われ、大阪・堺市内にある護摩行施設に足を運んだ。くべられた護摩木の前で約40分、般若心経を朗唱。顔面は真っ赤に腫れ上がったが、修行後は成長を実感した。「めちゃくちゃ熱いですし、煙もすごくて目を開けることができないんですけど、精神的に鍛えられました」。そこから毎月末の日曜日に必ず通い、護摩行を行ってきた。燃やす護摩木は約300本。金本監督や広島新井が行っているものと比べると小規模だが、十分に厳しい修行であることは間違いない。

 プロ入りが決定した先月27日にも護摩行を行った。今後についても「寮の門限もあって、時間的に厳しいかも知れないですけど、これからもできる限りやっていきたいですね」と続けていく方針。金本阪神に頼もしいルーキーが入団した。【梶本長之】

 ◆藤谷洸介(ふじたに・こうすけ)1996年(平8)2月12日、山口県生まれ。周防大島-パナソニックを経て、16年ドラフト8位で阪神入団。194センチ、93キロ。右投げ右打ち。

 ◆護摩行(ごまぎょう)インド伝来で、密教最高の修行法。燃え上がる炎の前で不動真言を唱え、煩悩を焼き尽くす。金本監督らが行を行った最福寺は鹿児島市内の寺で池口恵観氏が法主を務める。