愛する沖縄の海をきれいに-。ソフトバンク東浜巨投手(26)が、来季2桁勝利でサンゴの苗200株を沖縄県内の海に植え付けることを誓った。1勝=サンゴの苗10株。今季は自己最多の9勝を挙げ、沖縄の海に90株のサンゴを植える。「やっぱり地元の沖縄に何か貢献したいと思っていた。いい活動ですよね」とうれしそうに話した。

 きっかけは亜大時代の同級生だった。沖縄での自主トレを手伝ってくれる宮城浩夢さん(26)だ。勤務先の沖電開発がサンゴの苗を植える事業を行っているのを知った。海水の高温化やオニヒトデの増殖などで、沖縄のサンゴの多くが白化(白く弱ってしまう状態)してしまっている。亜大の1学年下のDeNA嶺井は1本塁打=10株とし、2人で始めた。

 昨年は1勝で10株だったが、今年1月に沖縄・宜野湾でウエットスーツ姿で海に潜り植え付けた。もうすぐ1年、“東浜サンゴ”は順調に成長している。1株当たり3500円。「来季は10勝したら倍の200株にしたい。もっと勝って、もっと貢献したい」と、倍増計画も明かした。

 2日の契約更改では年俸は1800万円から倍増の3600万円となった。「これからは、ほかにも社会貢献をしていきたい。僕たちはやらないといけない」と、幅広い社会貢献をしていく考え。今日8日からは、昨年に続き米ロサンゼルスへ行き、筋力トレーニングで追い込む。08年春、沖縄尚学で全国制覇した沖縄のヒーローが、プロで白星を重ね、地元に恩返しを続けていく。【石橋隆雄】

 ◆沖縄のサンゴ サンゴは動物だが褐虫藻(かっちゅうそう)という植物と共生している。二酸化炭素を吸収し酸素に変え海を浄化。防波堤や魚のすみかとしての役割もある。埋め立て工事などでの水質汚染、サンゴを食べるオニヒトデの大量発生、水温の高温化などでサンゴは衰退する。今年は台風が沖縄に来なかったこともあり、海がかき回されず水温が高いまま。そのため多くのサンゴが白化(白くなり弱りきった状態)。98年以来の大規模な白化が起きている。