不惑を迎える新主将が、勝負バットを手にする。9日、大阪市内で「ミズノ ブランド アンバサダーズ ミーティング」が行われ、同社と契約する選手が野球用具を見直した。阪神の新主将、福留孝介外野手(39)は、これまで使用する34インチ(86・36センチ)のバットから0・5インチ(1・27センチ)短いバットを依頼。シャープに振り抜ける新バットで、打線を引っ張るつもりだ。

 不惑の来季へ、福留が新たな相棒を手に挑む。「何も変えないよ」。そう話して会場を後にした福留だったが、バット製造の担当者が明かした。「短くされるとのことです。長さの違う2種類を来年は使用されていくようです」。40歳シーズンでの新バット導入。来季にかける背番号8の覚悟がにじみ出る。

 今季は39歳にして131試合に出場し、打率3割1分1厘をマークした。チームとして優勝を狙う来季は、金本監督から新主将に指名されるなど、今季以上の働きが期待される。ただ来年4月には40歳となり、体力的に厳しさを増していくのも確か。そこで、カバーするためにもバットの変化に踏み切ったもようだ。担当者も「1年を通して戦っていくので、パフォーマンスを維持するため、年齢も考慮されているかもしれないですね」と福留の思惑を話す。

 約1・3センチ短くなるが、重さは900~910グラムをキープする。より振り抜きやすくするための改良だろう。新バットは来年1月に行う自主トレから使用し、改良を加えてシーズン開幕を迎える予定だ。

 会場では巨人長野やオリックスT-岡田のモデルなども物色した。高山のバットを手に取った際には「俺のと違う。長距離より内野の頭を越すようなバットだよね」と話すなど、熱心に研究していた。年を重ね、バットは短くなるが、福留の向上心は限りなく膨らんでいく。【梶本長之】